
※過去記事をHPから記事を移転中
製作日 2010/05 ぐらい
高校のときに開発したものです。
アリエナイ理科ノ工作という本を参考に製作しました。
インパルス銃の原理を基本に大型化したもので、
インパルスキャノンと名づけました。
一応対ガスタービンエンジン用消火システムとして開発したのですが
兵器のようになってしまいました。
写真はMKⅢです。
0号機です。
最初はこのような小さい(小さいといっても1.2mほどある)
物だったんですが、灯油を燃やして消火できるか試したところまったく効果がありませんでした。
空気圧は0.64MPa(空気漏れがあったため)
水容量は2Lほど。
反動は自重が重たいのでそんなになかったです。
ちなみに中はこんな感じです。これはシリンダーです。
ピストンとバルブです。
教科書通りの構造です。
バルブは普通のボールバルブで発射時は手前の供給用アダプターをはずすようにしていました。
これはMKⅣ2になるまで使用していました。
消火能力を上げるために0号機を大型化することにしました。
A150のガス管を加工しタンクを拡張して
0号機を取り付けれるようにします。
バルブ等はそのままに空気タンクに大容量のガスボンベを使用し、
水タンク(砲身)にA100のガス管を取り付けました。
重量が100kg以上あるので台車も作りました。
全長は3mほどです。
砲身は飛ばないようにピンでとめてあるだけでたれ下がるのでブロックで支えてあります。
砲身は厚さ10mmの鉄板でふさぎ水が漏れないようにします。
射撃時にふたは下に落下するので飛んでいくことはないです。
画像は蓋を砲身に打ち込んでいるところです。
キャノン本体が動かないように「しょうれん」というバールのようなものを打ち込んでいます。
これは本体が反動で動いて手前にあるアスファルトを破壊したため対策をしたものです。
最初の消火テストでは何回かの射撃で損耗してた固定穴がちぎれ砲身が外れてしまいました。
応急処置をして2回目の射撃では見事消火に成功しました。
しかしこれ以降バルブが作動しなってしまいました。
原因はシリンダーがピストンの衝突により変形したためでした。
強度と構造に問題があったようです。
そこでバルブの強化を図ろうと大型のものを製作したのですが
うまく作動せず、作動バルブを開放するとともにボボボボ、とレシプロエンジンのような音を出し
往復運動をするような物ができてしまいました。
適当に作ったため溝の位置などがまずかったようです。
これはこれで何かに応用できそうと思いつつ新型バルブの設計に取り掛かりました。
そしてできたのがこのバルブです。
すべりを良くするために真鍮製のシリンダーを搭載し、バルブ部分は最低限必要な大きさにしました。
シリンダーとバルブはφ10mmのステンレスシャフトでつないでいて
排気口の外に3点支持された軸受けがあり
それでシャフトを支えるようになっています。
これでシリンダーに衝突することがなくなりました。この画像はステンレスシャフトが破断して
バルブが機能しなくなったときに分解した画像です。
後々の計算でバルブを引っ張る際にシャフトには
6トンの力が瞬間的にかかるようでφ10mmでは
強度が足りなかったようです。
幸いにもこの修理後破断することはなかったです。
シリンダーです。
バルブを気にしなくていいのでざっくりタンクからの排気口を開けています。
このバルブを採用したことにより一気に出力が上がりました。
排気スピードが上がったので大量の水を弾丸のように打ち出せます。
画像はアンカーなどを搭載した2号機MKⅡで近距離ではドラム缶を吹き飛ばすほどの威力があります。
噴射水量は16Lくらいです。
圧力はコンプレッサーの上限0.98MPaでおよそ1200Lの空気を
コンマ数秒で放出します。
砲身の支えも取り付けました。
まだ噴射水量に余裕がありそうだったのでさらに容量を16L増やしました。
2号機MKⅢ 全長3.8mで重量120kg。
10m先の焚き火をも消火できるようになりました。
もうここまでくるとアンカーの意味がありません。
この時点でアンカーが曲がっているのがわかります。
ここまで力がかかると思ってなかったのでガス管で作っていました。
こうなると抜けないのでガス切断でカットしました。
これ以降アンカーではどうにもならなかったので
(前方のみの固定だと地面を抉りとって後退した。)
ワイヤーで固定することにしました。
画像のようにしょうれんを前方に打ち込みワイヤーを張って固定しています。
これで浮き上がることもなくなりました。
しょうれんは50cmほど打ち込んでいます。
ただワイヤーを張っていないとキャノンが動いてしょうれんを曲げてしまうので
ワイヤーのテンションには気をつけないといけません。
MKⅣ 2バルブバージョンです。
圧縮空気は右から供給し、下から排気します。
実はもう一個初期からバルブがついてあって
前方(ガスボンベの本来のバルブ位置)に緊急排気バルブがあります。
これは何かあったときにメイン排気バルブを作動させることなく
タンク内の空気を抜くときに使用します。
あと空気タンク内にたまった水を抜くときに
本体を立ててここから水抜きをします。
砲身分解時の写真。
MKⅣでは台車に牽引ハンドルが装備されています。
砲身組み立て時の写真。
かなり重いので最低2人掛りで砲身を取り付けます。